
観葉植物として人気のユーカリには、庭木やベランダの植木だけでなく、花瓶に飾って切り花として、ドライフラワーにて室内のインテリアとして…など、さまざまな楽しみ方があります。
乾燥に強く比較的育てやすい植物であるため、ご自宅でも管理しやすい点も魅力のひとつです。
そんなユーカリには、生育スピードがはやいという特徴があります。そのため、美しい状態を保つには剪定や正しい手入れが必要です。
- ユーカリの剪定に適した春と秋におこなう
- 葉が密集している個所は「透かし剪定」をしてバランスを調整する
- 樹形を整えるために「摘心」で新芽を取り除く
ユーカリの剪定には適した時期と方法があります。透かし剪定や摘心は、切る個所さえ間違えなければ、ご自分でもバランスよく剪定することができます。
生長のはやいユーカリでも、剪定に適した時期にしっかりと剪定をおこなえば、大きくなりすぎて樹形が乱れる、病害虫が発生するということはないでしょう。
そこで今回は、ユーカリの剪定についてご紹介いたします。上手に育てるコツについてもまとめましたので、うまく育てたいという方はぜひ参考にしてください。
ユーカリを剪定して理想の樹形にしよう

シルバーがかったきれいな緑の葉が特徴のユーカリは、オーストラリアが原産の常緑樹です。清潔感のあるさわやかな香りをしており、ドライフラワーとしても楽しめ、ハーブとしても人気があります。
丸みのあるハート形の葉が特徴のポポラスや、レモンのようなさわやかな香りのするシトリオドラ(レモンユーカリ)などさまざまな種類があります。
そんなユーカリは生長スピードがはやいため、美しい樹形を保つには剪定がかかせません。ここでは、ユーカリの剪定の時期と方法、そして理想の樹形にするコツをご紹介します。
剪定に適した時期は春と秋
ユーカリには毎年の剪定が不可欠です。
生長スピードがはやいユーカリは、放っておくと枝が伸びて葉が密集していきます。そのままでは日光があたらない箇所があったり風通しが悪くなったりしてしまい、蒸れや害虫が発生する原因になってしまうのです。解消するためにも適した時期に剪定をおこないましょう。
ユーカリの剪定に適した時期は、3月~5月頃の春と9月~10月頃の秋です。
生長する時期に備えて、その前に樹形をきれいに整えておきます。
ユーカリの剪定方法は「摘心」と「透かし剪定」
ユーカリの剪定は「透かし剪定」と「摘心」という方法でおこないます。
透かし剪定とは、密集したり伸びすぎたりした枝を付け根から切り、バランスを調整する剪定方法です。
透かし剪定で切るべき個所は以下のような枝です。
- 枯れてしまった枝
- 長く伸びすぎてしまっている枝
- 増えすぎて葉が重なり合ってしまう枝
取り除いて空間をもたせることによって、枝や葉がひとつひとつ日光を受けることができ、風通しもよくなります。

剪定するときは枝の途中から切るのではなく、葉の付け根や主幹の付け根から剪定するようにしてください。細い枝が密集している箇所を間引くように剪定しましょう。剪定後の姿をイメージしながら少しずつ切り落とすことがポイントです。
剪定した枝からは新芽は出ません。中心となっている枝を切り落としてしまうと枝がスカスカになり見た目も悪くなってしまうので注意してください。
理想の樹形に整えるために、摘心もおこないます。
摘心とは、枝や枝先についた新芽を取り除く作業のことです。

新芽を取り除くことでそれ以上、上には伸びなくなります。
その枝は上には伸びなくなりますが、摘心した箇所から脇芽が伸びるようになり横に広がります。そのため摘心をすることで、コンパクトで理想の樹形に整えることができます。
病気や枯れることを防ぐためにも剪定は必要です
剪定には樹形を整えるという目的があります。しかし、ユーカリを剪定する理由はそれだけではありません。剪定をしないとこれらのことが起こるおそれがあります。
- 日当たりが悪く枯れやすくなる
- 蒸れて病害虫が発生しやすくなる
- バランスが悪く葉の重さで倒れやすくなる
生長がはやく乾燥した環境を好むユーカリは、葉や枝が生長しすぎると風通しが悪く日光も十分に取りこめなくなり、最終的に枯れてしまうことがあります。
害虫被害や病気になることは比較的少ないですが、蒸れると病害虫も発生しやすいです。ユーカリに発生しやすい病気として、若葉が白くなってしまううどん粉病などがあります。
ユーカリは生長しても根が浅いため、枝が伸びて葉が多くなると重さで倒れやすくもなってしまいます。
摘心や剪定には適した時期がありますが、あまりにも大きくなりすぎてしまったときはすこしずつ切り落としてあげてもよいです。その際、大きなところを切ってしまわないよう、形を整えながら剪定していくようにしましょう。
ユーカリを育てるコツは好む環境を理解すること
ユーカリはオーストラリアを原産国とした常緑樹で、育つ環境については下記のような特徴があります。
- 日光がよくあたる風通しのよい場所を好む
- 乾燥に強い
- 湿気や蒸れには弱い
ユーカリをより美しく長く楽しむにはこの特徴を理解し、育ちやすい環境にしていくことがポイントです。
基本的な育て方|地植えと鉢植え それぞれのポイント
先ほどご紹介した特徴を踏まえ、ユーカリを健康に育てるための基本的なお手入れについてご紹介していきます。
ユーカリは水を与えすぎてはいけません。水を与えすぎると土の中に酸素を取りこむことができず、枯れてしまうおそれがあります。乾燥に強い植物なので、頻繁に水やりをしなくても元気に生長していきます。
地植えの場合、根付いてからは特に水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は地植えよりも根が浅いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあたえましょう。
夏は土が乾きやすいので注意してください。気温が上昇して水温が高くなると根腐れをおこしやすいので、夏の水やりは早朝か夕方頃におこないましょう。冬はあまり生長しない時期なので、乾燥してから数日後に水をあげる程度で問題ありません。
鉢植えの場合はベランダや窓辺など、風通しがよく日光を受けやすい場所で育てるようにしましょう。庭植えの場合も、できるだけ広く日当たりのよい場所を選んでください。
暑さや乾燥に強い反面、湿度が高い場所や暗い場所では元気に育ちません。冬になり窓際に結露がたまる場合は、窓辺から少し遠ざけるなど環境にあわせて場所をかえてみるとよいでしょう。
ユーカリは水はけのよい土壌を好みます。鉢植えの場合は市販されている園芸用の培養土で問題ありません。
もともと丈夫で元気な品種なので植え付けのときに元肥をあたえておけば、肥料はあまり必要ありません。
植え替えるときや不調なときには状況に応じて肥料をあたえてあげみましょう。もしあたえるのであれば、よく育つ4月~8月頃がよいです。
ユーカリの根は浅いため、生長して大きくなるまでは主幹が折れやすいです。生長するまでは支柱を立てて麻紐で結び、支えるようにするとよいでしょう。
大きく生長してきたら植え替えをしよう
地植えであれば植え替えの必要はありませんが、鉢植えでユーカリと育てている場合は、定期的に植え替えをおこないましょう。小さな鉢のままで育てていると、根詰まりをおこしてそれ以上大きく生長しなくなります。
植え替える鉢は、一回り大きいものを用意してください。目安としては、ユーカリの高さが50センチメートル以内なら内寸12~18センチメートルの鉢、50センチメートル以上なら内寸20~28センチメートルの鉢です。少しゆとりがある鉢だと窮屈になりません。
根についた土はほぐして落とし、傷んでいる根や長く伸びた根を切ってきれいにしてから新しい鉢に植え替えましょう。植え替え後はたっぷりと水をあげてください。
植え替えの頻度は2~3年に1度くらいが目安ですが、生長にあわせておこなってください。4月~8月が植え替えに適した時期です。
挿し木で増やしてユーカリをもっと楽しもう
ユーカリは剪定した枝を土に挿す「挿し木」をおこなうことで増やすことが可能です。
挿し木をおこなうときの手順をご紹介します。
- 剪定した枝の中からその年に伸びた新しい枝を選び、10~15cmほどに切ります。
余分な葉がついていると水分が蒸発しやすいため、2~3枚だけの残し、大きな葉や枝の下のほうの葉はすべて切り落とします。 - 枝の切り口を斜めになるように切り、2~3時間ほど水につけて水揚げをします。
- 挿し木用の土を湿らせ、水につけておいた枝を挿します。
- 根付くまでは土が乾燥しないよう、しっかりと水やりをします。

根付いてきたら大きめの鉢に植え替えましょう。ユーカリは根が浅く風などで折れやすいため、主幹が生長するまでは支柱を立てて麻紐で結び、支えておくことがおすすめです。
ユーカリを育てるときのよくあるお悩み
ここからは、ユーカリを育てているときによくあるお悩みをご紹介します。原因や対処法について解説していますので、該当するときはぜひ参考にしてください。
葉っぱが枯れた!?原因は……
ユーカリの葉が枯れる原因としてあげられることは、根腐れや根詰まりです。
水を与えすぎると、土の中に酸素を取りこめず根が呼吸できなくなってしまいます。その結果根が腐り、枯れてしまいます。
土の中の根もどんどん生長していくため、小さな植木鉢で育てていると思い切り根を張ることができません。すると、根から十分な水分や栄養を取りこむことができずに枯れてしまうのです。
根腐れや根詰まりが起こらないようにするためには、ユーカリの生育にあわせた環境づくりが大切です。
ユーカリがひょろひょろ…太くしたい!
ユーカリは高さがでてくると幹も次第に太くなりますが、小さいときは幹も細くひょろひょろした姿です。
植えてすぐは根がしっかり張っていないので、栄養を十分に吸収できていないことや日光が足りていないおそれもあります。そのため、幹が太く安定するまでは工夫が必要です。
- 十分に日光にあたるよう摘心や剪定をおこなう
- 庭植えの場合には、できるだけ広く日当たりのよい場所を選ぶ
- 根をしっかり張ることができるよう大きめのサイズの鉢に植え替えする
- 主幹が太くなるまでは幹に沿って支柱を立ててあげる
- 肥料をあたえる
それぞれ剪定方法や基本の育て方、植え替え方法にて詳しくご紹介していますので、ご確認ください。
一人で悩まないで!失敗する前にプロの技に頼ろう
ユーカリは丈夫で育てやすい植物ですが、間違った方法でお手入れしてしまうと他の植物と同じように枯れてしまいます。日本の夏は多湿なため、乾燥した環境を好むユーカリにとってはそれほど好ましい環境とはいいがたいのです。
「うまく幹が太くならないな……」「コンパクトな形に整えたいけど失敗しそう」と、ユーカリの剪定や育て方に悩まれたときは、プロの剪定業者に相談してみるとよいでしょう。
弊社ではいつでもご相談いただけるよう、24時間相談窓口を受け付けております。ぜひお気軽にご相談ください。
ユーカリの剪定・費用相場と業者の選び方
業者にユーカリ剪定を依頼した場合、剪定する本数や作業内容によって料金は異なります。ここでは、ユーカリ剪定にかかる費用と業者に依頼する際に注意するべきポイントについてご紹介いたします。ぜひ参考にしていただき、安心してお任せできる業者を見つけてください。
剪定を業者へ依頼したときの費用相場
ユーカリ剪定の費用相場は、本数や木の高さによって価格差が生まれます。例えば、庭に植えているユーカリを剪定する場合、高さ3メートル未満だと約1,000~5,000円の費用がかかります。あくまで目安ではありますが、大きくなればなるほど費用は高くなっていき、5メートルにもなると約13,000~20,000円かかります。それ以上に大きくなれば、個別で見積りをしてもらうことが多いです。
費用はこの他に、ゴミ処理費用や高所での作業に使用する作業車費用など、追加でかかるものがあります。正式な依頼をする前に、しっかりと見積りをとって内訳や作業工程を確認しておくことが大切です。
費用について詳しくは「庭木(植木)の剪定料金」でご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
複数の業者を比較して信頼できる業者を選ぼう
業者に剪定を依頼するときは、特定の業者ばかりをみるのではなく複数の業者を比較することが大切です。複数の業者に見積りをお願いし、それぞれの費用や作業内容を見比べてみましょう。
比較することで、無駄な工程がないか、適正価格かどうかを見極めることができます。費用が安いことはよいことですが、極端に安いものは注意して、見積り内容や不明確な作業工程がないかなど事前に確認しましょう。
費用以外にも安心してお任せできる業者を選ぶためにはいくつかポイントがありますので、ご紹介いたします。
- 対応がはやい
- 悩みを相談しやすい
- 見積りが明確でわかりやすい
- 知識が豊富で実績もある
全国各地には多数の剪定業者がありますので、複数の業者を比較し、信頼できる業者を選びましょう。
弊社では、無料で現地調査や見積りをおこなっている加盟店をご紹介しています。「どれくらいかかるのかな」「まだ依頼するかわからないけど、相見積りだけでもしてもらえるかな」といったご相談も大歓迎です。
ユーカリの剪定のみならず、植物に寄生してしまった害虫の駆除や今後のお手入れ方法など、隅々までフォローさせていただきます。
24時間365日いつでもご相談可能な体制を整えておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。