放っておくと大きくなってしまうキンモクセイは、樹形をコンパクトにして見栄えをよくするためにも、剪定という手入れが必要です。しかし、キンモクセイを剪定する目的はそれだけではありません。
というのも、キンモクセイは剪定をおこなうことで花つきをよくすることもできるのです。しかし反面で、正しく剪定をおこなわないと花が咲かなかったり枯れてしまったりすることも。そこで本記事では、そんなキンモクセイの剪定に関する情報をまとめてご紹介していきます。
目次
キンモクセイの剪定方法
キンモクセイを剪定する際には、すでにお伝えしたとおり正しくおこなうことが大切です。そこでここでは、キンモクセイの剪定時期・方法をご紹介していきます。
また、切るべき枝やキンモクセイの剪定のコツなどについても解説していくので、お手入れをおこなう際は、ぜひ参考にしてくださいね。
剪定する時期

キンモクセイの剪定時期は、春と秋です。たくさんの枝や葉を切り落とす「強剪定」は、3~4月、枝先を軽く切り落とす「弱剪定」は、11月頃におこないます。
避けなければならない時期は、冬です。冬に剪定してしまうと寒さに耐えることができません。場合によっては、木が枯れてしまう場合があります。冬の剪定は、おこなわないようにしましょう。
使用する道具
キンモクセイの剪定は、次のような道具を使用します。
・植木ばさみ
枝先を切るときに使用します。ホームセンターでも購入することができます。さまざまな種類のものがありますが、使いやすい軽さのものや手の大きさにあったものを選びましょう。
・剪定ばさみ
植木ばさみでは切れない、やや太めの枝を切るときに使用します。剪定ばさみには、両刃のものと片刃のものがあります。細い枝を切るなら両刃、太めの枝を切るなら片刃がおすすめです。
・脚立
高いところの枝や葉を剪定するときに使用します。使用するときは、安定した足場を確保しましょう。
・養生シート
剪定前にキンモクセイの周囲に広げておけば、切り落とした枝葉の回収がとても楽になります。養生シートがなければレジャーシートでも代用できます。
・ゴミ袋
切り落とした枝葉を処分するときに使用します。市区町村によって草木の分別方法が違います。回収ルールにそって処分しましょう。
・軍手
ケガ防止に使用します。はさみが滑らないよう、滑り止めが付いている軍手がよいでしょう。
キンモクセイの樹形
キンモクセイは丸みを帯びた樹形をしているのが特徴です。そのなかにもさまざまな樹形がありますが、代表的なのは楕円形や球形、円筒形といった形です。
また、多くの枝や葉が茂りやすい特徴もあります。枝葉が多いという特徴、樹形や大きさが生け垣として適しているため、多くの場所で生け垣として利用されています。
剪定する枝
剪定するときは、切り落とす枝を選ばなければなりません。あたりかまわず切ってしまうと樹形が整わないだけでなく、木を枯らしてしまうことがあります。
剪定前にはしっかりと木全体を見渡し、不要な枝を見分けましょう。剪定すべきなのは、次のような枝です。
・さかさ枝
木の幹に向かって伸びている枝
・たち枝
まっすぐ上に向かって伸びている枝
・かれ枝
すでに枯れてしまっている枝
・からみ枝
他の枝と交差しぶつかっている枝
・徒長枝(とちょうし)
ほかの枝よりも太く、ほかの枝より飛び出ている枝
これらの枝があると見栄えが悪くなるだけでなく、木の内部まで日差しがあたらず光合成の妨げになってしまいます。不要な枝を剪定することで、光合成を促進することができ、さらに風通しもよくなるので病害虫を予防に効果があります。
お手入れの方法
キンモクセイを健康に育てるためには、外側、内側の剪定が必要です。外側と内側それぞれの剪定の方法についてご紹介します。
外側の剪定
剪定時期は、花が咲き終わった秋ごろです。木の側面、上面という順番で、切りたい枝を分かれ目から約5~10センチくらいの位置で切り落とします。
内側の剪定
外側の剪定をした後におこないます。内側の剪定では、前項でご紹介した不要な枝を切り落とします。最後は、全体をよく確認します。そして切るべき枝があれば切り落とすなどして、樹形を調整しましょう。
剪定のコツ
はじめてキンモクセイの剪定をおこなうときは、切るべき枝を判断するのがなかなか難しいと感じる方も多いでしょう。失敗しないコツについてご紹介します。
樹形を保つには
特に木のてっぺん部分は、側面に比べよく伸びます。樹形を保つためには、木のてっぺんに近い部分はしっかりと、木の側面や下側はゆるめに刈り込むとよいでしょう。
切りすぎない
切りすぎは、見栄えが悪くなるだけではなく、枝枯れの原因にもなってしまいます。一度にたくさん刈り込むのではなく、全体のバランスをみながら刈り込むようにしましょう。
葉を残すようにする
剪定になれていないと、葉を切り落としすぎてしまうことがあります。葉を切り落としすぎると翌年に花が咲かなくなってしまいますので、花を楽しみたい場合は葉を切り落としすぎないように注意しましょう。
「花or樹木?」肥料の投与変わるお手入れ
キンモクセイの剪定は、花を楽しむか、それとも樹形を大切するかという目的によって方法が違ってきます。目的別の剪定におけるポイントについてご紹介します。
毎年花を咲かせるには
キンモクセイには、剪定した部分から新たに伸びた枝の下側に花芽をつける性質を持っています。そのため、花を咲かせるためには枝のもととなる新芽と、花となる花芽を残す必要があります。
キンモクセイの枝は3方向に分岐することが多いという特徴があります。花を咲かせるためにはまず、真ん中の枝を枝分かれした部分の根元から切り落とします。左右の枝は、枝分かれした場所から1~2節の部分で葉を2~3枚程度残して切り落とします。
初夏から秋の時期に剪定してしまうと新芽や花芽を切り落としてしまうおそれがあるので、剪定は花が咲き終わった直後におこなうのがおすすめです。
樹形を大切にするには
葉がたくさんある枝先を、希望の形になるように全体の樹形を確認しながら軽く剪定します。コンパクトにしたい場合は強剪定をおこないますが、木に大きな負担がかかるため毎年はおこないません。強剪定は3~4年に一度の間隔でおこないます。
キンモクセイの剪定に悩んだらプロに相談
剪定に慣れていない方にとっては、剪定部分を選ぶことや樹形を整えることはかなり難しいかもしれません。間違った剪定をすると、見栄えが悪くなるだけでなく花が咲かなかったり、枯れてしまったりする場合があります。
難しいと感じたら、無理をせず業者に依頼するというのもひとつの方法です。業者に依頼すれば、見栄えよく剪定してもらうことができます。
さらに道具の用意から後片付けまですべてお願いすることができるため手間もかかりません。剪定に慣れていないなら、業者に依頼するのがおすすめです。
キンモクセイの育て方
キンモクセイのお手入れには、毎日の水やりといった日常的なお手入れのほかに、肥料を与えたり剪定したりといった季節ごとのお手入れがあります。成長や開花の時期に合わせてお手入れすることで、キンモクセイを元気に育てることができます。
ここからは、キンモクセイを元気に育てるために必要な条件と季節ごとのお手入れについてご紹介します。
年間スケジュール

季節ごとのお手入れは成長時期に合わせておこないます。キンモクセイは春が来ると、新たな枝となる新芽を出しはじめ、春から夏にかけて成長し枝になります。
7~8月ごろには成長した枝から花芽が出て、10月頃に開花の時期を迎えます。常緑樹のため冬でも葉落ちることはありません。
肥料の投与は、栄養が必要となる発芽や開花の時期に合わせるのが効果的です。また、木に負担のかかる剪定は木が弱っている冬の時期を避けておこないましょう。成長時期に合わせた具体的なお手入れのタイミングは以下のとおりです。
植え付け
- 4~5月
肥料
- 4~5月
- 地植え:1~2月
剪定
- 強剪定:3~4月
- 弱剪定:10月
これらは、あくまでも目安です。地域や気象条件によって違ってきます。
3つの条件
キンモクセイは庭木の中でも育てやすい木として人気です。キンモクセイをより元気に育て、花や景観を楽しむために、キンモクセイの成育に必要な3つの条件を紹介します。
キンモクセイに適した環境
キンモクセイは、日当たりがよく肥えた土壌を好みます。耐寒性はあまりなく、乾燥に弱いという性質があります。
水やり
鉢植えのキンモクセイは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。地植えの場合は、土に根づいていれば水やりをおこなう必要はありません。
肥料
鉢植えの場合は、1~2月と5月、9月ごろに肥料を与えます。地植えの場合は、1~2月ごろの1回です。肥料は有機肥料がおすすめです。油かすは、窒素成分が多く含まれており、キンモクセイには適していません。
油かすを与えると花つきが悪くなることがあるので、与えないほうがよいでしょう。
花が咲かない?
キンモクセイの花が咲かない原因には、次のようなことがあります。
水不足
花芽ができる7~8月に水不足になると花芽の成長がとまりつぼみができない場合があります。夏場は水が不足しがちなので、地植えの場合でも暑い日が続く場合は水やりをおこなうようにしましょう。
日照不足
日照時間が不足すると新芽や花芽も成長できないため花が咲きません。花を咲かせたいなら日当たりのよい場所に植えましょう。
これらのほかにも病害虫が原因となる場合があります。
キンモクセイにつく害虫と病気
病害虫の被害にあうと、成長が遅くなったり、花が咲かないだけでなく、枯れてしまうことがあります。キンモクセイに危害を与える病害虫についてご紹介します。
害虫
カイガラムシやアブラムシ、ハダニ、イボタガなどの害虫です。放っておくとあっという間に木の養分を吸われ、葉を食い尽くされてしまいます。1匹でも見つけたら、すぐに薬剤で退治をしましょう。
病気
褐斑病(かっぱんびょう)や先葉枯病、炭疽病(たんそびょう)などがあります。これらに共通する原因は、カビです。特に湿度が高くなる梅雨から夏場にかけて注意が必要です。葉が茶色に変色している、葉の表面に斑点があるときは要注意です。薬剤で処理をおこないましょう。
植え替え
鉢植えの場合は、根が張ってしまい根詰まりをしてしまうため植え替えが必要です。植え替えは、2~3年に一度、大きな鉢に植え替えましょう。ただし、受植え替えすると根が傷ついてしまうおそれがあるため、地植えの場合は、植え替えはおこなわないほうがよいでしょう。
増やし方
キンモクセイは、挿し木や取り木によって増やすことができます。挿し木とは、枝の一部を土に植えて増やす方法です。取り木とは、枝から出た根を苗として育てる方法です。
取り木には、「圧条法」「盛り土法」「高取り法」という3つの方法があります。キンモクセイの場合は、高取り法によって増やします。
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剪定で余分な枝を切り落とすことで、木の養分を必要な枝にいきわたらせることができ、より元気に育てることができます。
ただし必要な枝を落としてしまったり、剪定すべき枝を残してしまったりすると成長に大きく影響してしまいます。キンモクセイの剪定に自信がない場合は、無理をせず業者に依頼するとよいでしょう。
剪定業者へ依頼したときの費用と選び方
キンモクセイの剪定を業者に依頼したいと思っても、どれくらい費用がかかるのか、よい業者を選ぶ方法がわからないと不安になりますよね。ここからは、剪定費用や失敗しない業者選びについてご紹介します。
剪定費用はいくら?

剪定料金には、1本あたりの料金で計算する方法と作業にかかる時間で計算する2つの方法があります。本数で計算する場合は、木の高さによって料金が変わります。
一般的な相場は、3メートル未満であれば1本あたりおよそ4,000円、3~5メートルの高さの木であればおよそ8,000円です。生け垣の剪定は、1メートルにつきおよそ3,000円です。時間料金の場合は、1時間あたり3,000円~が相場です。
料金には、出張費、作業費が含まれています。このほかにゴミ処理費や駐車料金などの出張費、作業日が土日であれば休日料金が必要になる場合があります。
少しでも費用を抑えたいなら、ゴミ処理を自身でおこなったり、近くに店舗がある業者を選ぶことで費用を抑えることが可能です。
どんな業者がよいの?
剪定を依頼するときは、剪定技術だけでなく、料金体系やサービス面などを考慮し、信頼できる業者を選ばなければなりません。よい業者を選ぶポイントには次のようなものがあります。
- 見積り書がわかりやすい
- HP、口コミがよい
- こちらの要望や希望をきちんと聞いてくれる
- アフターケア
- 受付対応がよい
- 対応が早い
- 知識や経験、実勢がある
- 相談にのってくれる、親切である
- 追加料金なし
費用について、まずは見積り書の内容だけでなく、追加料金の有無も大切なポイントです。作業日が休日の場合など、別途料金が必要となることがありますので、事前に確認をしておくとよいでしょう。
また、対応の丁寧さを見ることも業者選びでは大切なことです。作業内容について分かりやすく説明してくれたり、質問や相談に対して納得できるように答えてくれる業者は、親身になってくれるよい業者といえるでしょう。
依頼したときの流れ
依頼したときの流れは業者によって異なりますが、参考として「剪定110番」に依頼した際の流れを載せておきます。
- 電話またはメールでご相談
- 業者による現地調査とお見積り
- 検討
- 依頼
- 作業日相談
- 作業説明・開始
- お支払い
- 終了
たくさんある剪定業者のなかから選ぶのは、なかなか難しいものです。そんなときは弊社にご相談ください。お見積りは無料で、お見積り後の追加料金もございませんので安心してご依頼をしていただけます。
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