きれいな紅葉を見せてくれるもみじを、お庭で育てている、もしくはこれから育てようと考えている方も多いのではないでしょうか。なお、きれいなもみじを楽しんだり健康的に育てたりするためには当然お手入れをしてあげる必要があります。
なかでももみじの剪定は、樹形を整えてきれいに維持するうえで大切なお手入れです。しかし、このお手入れには適切な時期や方法があります。そしてこれを守らないと、理想のもみじにできないことも。そこで今回は、そんなもみじの剪定に関する情報を一挙ご紹介していきます。
目次
もみじの剪定時期と方法
ご自宅のお庭でもみじを育てている場合、生長にあわせて上手に剪定することが大切です。剪定に適した時期を知り正しく剪定すれば、秋のもみじをより楽しむことができますよ。
なぜ剪定は必要なのか

健康で美しいもみじをより長く楽しむためには、剪定は必要不可欠な作業です。そもそも剪定とは、枝を切り落として風通しをよくしたり、まんべんなく日光が当たるようにしたりして、植物や樹木の生長を促すための作業です。また、剪定により形を整えることで見た目をきれいにする役目もあります。
剪定をしないでいると見た目だけではなく、もみじの健康にもよくありません。葉が増えすぎると根が土の栄養をどんどん吸収してしまうので、もみじの周囲に生えている植物が栄養不足になるおそれもあります。さらに、枝や葉に害虫が寄生してしまい病気になって枯れてしまうこともあるのです。
もみじの剪定は11月~2月がベスト!
もみじは非常にデリケートな植物なので、きちんと定期的にお手入れをしないと枯れてしまいます。より長くきれいなもみじを楽しむためにも、年に1回はもみじの剪定をおこないましょう。
剪定時期は、11月~2月がおすすめです。もみじは秋に見ごろになり、冬には葉を落として休眠期に入ります。この時期なら、剪定する前にある程度の葉が落ちているので、剪定すべき葉も少なくなり、お手入れが楽になります。冬が終わるとまた次の秋に向けてもみじは生長しはじめるので、できるかぎりこの時期に剪定を終えておくようにしましょう。
夏に剪定してはいけない理由
「冬は寒いので作業したくない」という方もいるかもしれませんね。しかし、春や夏は剪定に適した時期ではありません。もみじは秋になるまでは栄養をじっくりと蓄えているので、春や夏に剪定してしまうと、見ごろの時期に美しいもみじを見ることができなくなってしまうのです。
また、春や夏は気温が高く雨も多いため、もみじの生長スピードが早く剪定する意味がさほどありません。
できるかぎり効率よく剪定作業ができ、翌秋に鮮やかなもみじを見ることができるよう、剪定作業は冬のうちにおこなっておいたほうがよいでしょう。
もみじの剪定方法
もみじの剪定方法はいくつかあります。形を整えたい場合や、適度な大きさを保ちたい場合など、状況に応じて剪定方法を使い分けるとよいでしょう。
剪定方法
形を整えたいときは、比較的太い枝を少し残し、細い枝をカットして整えていくときれいに仕上がります。枝が窮屈にならいよう、空間を作るようにして剪定していくことがポイントです。
適度な大きさを保ちたいときには、長くなった枝を根元からしっかりと切り落とすことがポイントです。枝が分岐して長くなっているような箇所は、このような手を加えることで、一定の大きさを維持することができます。
剪定するときのポイント
もみじの剪定ポイントは「一度に切りすぎないこと」「根元から枝を切ること」です。この2つを守れば大きな失敗はないでしょう。
剪定をはじめる前に、どのくらい切り落とすのか剪定後のイメージをしておくと、より失敗は少なくなります。イメージができたら少しずつ枝を切り落としていきましょう。枝の重なりをチェックしながら作業をすすめ、しっかりと枝の根元を切ってください。
切り落としていくというより形を整えて大きさを調整していくようにすれば、大きな失敗もありません。ノコギリを使用して大胆に切り落としていくのも、もみじにとってはダメージが大きいのでやめましょう。
剪定に不安を感じたらプロがオススメ!
もみじはデリケートなので、丁寧に剪定しなければ枯れの原因にもなってしまいます。「剪定したことがないし、ちょっと不安」「失敗したらどうしよう……」と、少しでも剪定に不安をお持ちなら、プロにお任せしましょう。
プロの業者なら、正しい知識で手際よく剪定してくれます。素人が知らないような植物の特性も熟知していますし、プロの手で美しく仕上げてくれるでしょう。
秋には鮮やかに彩り、私たちを楽しませてくれるもみじです。適切な方法で美しく剪定をおこなうためにも、ぜひ業者にお任せすることをおすすめいたします。
キレイなもみじに育てる方法と注意点
もみじをお手入れする際には、いくつか知っておかなくてはならないポイントがあります。ここでは、日ごろから簡単にできるもみじのお手入れ方法や注意点をご紹介していきましょう。
水やりは適度におこなおう!

もみじは乾燥した環境が苦手です。土が乾燥しないよう、最低1日1回は水やりをしてください。
乾燥しやすい日や日照りが続く夏の日は、1日2回水やりをしてあげるとよいです。気温や土の乾燥具合にあわせて、適宜水やりをおこなうことが大切です。
きれいに紅葉する環境とは?
もみじがきれいに紅葉するには、「温度差」「日あたり」「水分環境」の3つがおおいに関係しています。梅雨の時期にしっかりと水分を吸収し、夏の間に十分な日光を受け、さらに秋になるにつれて朝晩の寒暖差が激しくなってくると、もみじは鮮やかに紅葉するのです。
とくに、空間の制限があるご自宅のお庭でもみじを育てる際には、日当たりに注意しなくてはいけません。枝が重なりすぎて日が当たらないということがないよう、日の当たり具合を確認しながら剪定していくようにしましょう。
もみじの病気に注意しよう
日ごろからきちんとお手入れしていても、もみじが病気になってしまうこともあるかもしれません。もみじの病気は、たとえば以下のようなものがあります。早期に対処すれば枯れることはないので、症状を知って発見しやすくしておくと安心です。
うどんこ病
発症すると、葉が白くなる症状が見受けられます。カビが原因なので、カビの胞子が周囲に飛散すると被害は大きくなります。初期の段階で病気にかかった箇所をきちんと除去しておけば、大きな被害にはなりません。症状を発見したら、白くなった箇所を早めに取り除くようにしましょう。
黒紋(こくもん)病
葉の表面に黄色の斑点ができ、症状が進行すると黒く変色してしまいます。斑点は遠くからでも目立つので、見た目の悪さもいちじるしいです。黒くなってしまうと、秋になってもきれいに紅葉することはありません。症状を発見したら斑点ができた箇所を取り除きましょう。落葉した葉の中にも黒紋病にかかっている葉があれば、忘れずに処分してください。
ビロード病
葉の裏側が赤く変色してきたという場合は、ビロード病にかかっているおそれがあります。ビロード病にかかると葉が反り返るように変形してしまうので、見た目も悪くなってしまいます。ビロード病は害虫の一種であるフシダニが原因です。発症してしまった場合は、周囲に広げないためにも、被害のある葉を早急に取り除くことが大切です。
もみじのお手入れが大変だと感じたら?
もみじは、日当たりや水分環境などに注意しつつ、病気にかかっていないかを常に確認しながら育てていかなくてはなりません。もし、病気にかかってしまえば早急に処置が必要ですし、手間もかかります。
こうした心配ごとを抱えながらもみじを育てていくのは大変ですから、お手入れは丸ごと業者にお願いしてはいかがでしょうか。
業者なら、病気にかからないように適切にメンテナンスをおこなってもらえますし、万一病気にかかってしまっても、適切な方法で対処してもらえます。ほかに異常がないかもきちんと確認してくれるのもメリットです。
「もみじが変色している」「葉の形がおかしい気がする」などがあれば、今すぐ業者へ相談してみましょう。
剪定を業者に依頼するときのポイント
「自分でもみじの剪定をするのは、ちょっと心配……」「脚立を使うのも危険だし、面倒なのでやりたくない……」という方は、ぜひ剪定のプロの手を借りてみてはいかがでしょうか。
ここからは、剪定を業者に依頼する際、知っておくべきポイントや費用の相場をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
依頼したときの費用相場を把握する

剪定は、依頼する業者が「日当制(時給制)」か「単価制」かによって費用に差が生じます。日当制の場合は、1日15,000円~30,000円程度(1人あたり)が目安ですが、地域や業者によっても異なるので注意しましょう。時給制を採用している業者なら、1時間2,000~3,000円程度(1人あたり)が相場です。
日当制や時給制の場合、職人さんの技術力によっては「思っていたより時間がかかった!」ということもあり、当初の予算よりも請求額が大きくなってしまうおそれがあります。口コミで職人さんの技術力や作業時間をチェックしておくとよいでしょう。
単価制の場合は、剪定する本数や大きさ、作業範囲などによって費用が決まります。たとえば、お庭の木を1本剪定する場合は、以下のような相場で計算されます。
- 高さ3メートル未満:約3,000円前後
- 高さ3~5メートル:約7,000円前後
- 高さ5~7メートル:約17,000円前後
大きくなればなるほど剪定費用は大きくなり、大きさによっては個別に見積りが必要なこともあります。正式に剪定を依頼する前に無料見積りをお願いして、費用を確認しておきましょう。
複数の業者に見積りをしてもらう
業者によって料金設定が異なる場合もあり、業者それぞれの作業内容で費用に差が生じます。また、作業後に追加費用を請求されるようなトラブルを防ぐためにも、複数業者の見積書を見比べることは大切です。
見積書に記載された内容に、気になる点や不自然な点があるときには、かならずその都度業者に質問して確認しましょう。不要な作業工程を含んでいることもあるので、見積書はすみずみまで目を通し、しっかりと比較検討するように心がけてください。
依頼するか迷っているときにはまずは相談から
はじめてもみじの剪定を業者に依頼しようとしている方は、費用相場や業者の選び方などさまざまな疑問や心配ごともあるかと思います。まずは、複数の業者に相談してみて、剪定方法や料金を聞いてみましょう。
剪定は、樹木が大きくなってくるとその分費用が高くなり作業も大変なので、できるだけ早期に相談して作業をしておくと安心です。大切に育ててきたもみじを病気やトラブルから守るためにも、ぜひ積極的に剪定のプロを利用しましょう。
弊社では、剪定や伐採に関するあらゆるお悩みごとに対応可能です。気になることがあれば、ぜひ弊社の無料相談窓口へご連絡ください。みなさまからのお電話を、心よりお待ちしております。
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